換えることもなく、車窓から見える海の
表情の変化や町並み、温泉の湧く場所
から出るもうもうとした湯気を眺めなが
ら、思ったよりも速い感じで電車が進み
ます。
駅の手前で車内放送が入り「まもなく右
手にすさのお神社の雛段飾りが見られま
す」とのこと。
電車が速度を落とします。
車内のお客さんの視線は右側の窓に向き
ますが、「?」という感じでよく分かり
ませんでした。
電車の速度が上がったので、通り過ぎた
みたいでした。
何も見えなかった。残念。
そして河津駅に到着。
ここで切符の謎が解けました。
改札の駅員さんに確認すると、フリー乗
車券の(ゆき)は伊東駅より先(南側)
の駅で、最初に降りた駅までが有効の切
符でした。
つまり(かえり)の切符は、1日目の最
初に降りた駅から翌日の最後まで使える
切符になります。
JRは出発地(東京・横浜・小田原)から
伊東までの往復乗車券として。
伊東から伊豆の南側、伊豆急行線の普通
列車の普通自由席や、東海バスの指定路
線が乗り降り自由な乗車券です。
そう、フリーエリアは伊東より南側だけ
なんです。
2枚目の(かえり)が、フリー切符の
イメージに近いかも。
こういう切符は使いなれていないと分か
りにくいかもしれません。
河津の駅を出るとすぐ前に「伊豆の踊
子」主人公二人の像があり、マスクを
かけられています。
今だから、ですね。
信号のある横断歩道を渡ると、少し高く
なっている線路の下に桜と菜の花。
コントラストがよい。
だけど人、人、人。
みんなカメラを持って待ち構えている。
あ~そうだ。
リニューアル前の「踊り子」185系
と河津桜と菜の花の最後の絵が撮れる
んです。
これは撮りたくなるな~。
自分でも撮影しようと思いましたが、
誰かが「次の電車が来るまであと15
分」と言っていたのを聞いて、とり
あえずやめておきました。
河津の滞在予定時間は約2時間30
分です。
桜の並木や土産物店、河津桜の原木、
来宮神社にも行きたいので、そちら
を優先することにし、歩きだします。
気になった土産店を横目に川沿いの
歩道へ。
すると満開の桜。桜。桜。
特徴的な淡紅色の花が、いくつかの
かたまりのようになって枝について
います。
思った以上の華やかさで、この辺り
にも咲いていた菜の花がいっそう
桜を引き立たせると、目が奪われて
動けなくなるほどのきれいさです。
来てよかった。
そんな桜に感動すら覚えている時に
通りすぎる観光客の胸のシールに
気がつきました。
なんだろう?