フルコミ営業の話に戻ります。
どういうふうに収入を安定させながら、
できるだけお金をかけずに確実な不動
産情報を取り込んでいくか。
しかも個人事業主としてなので、売買契
約で万一のことがあった場合、個人の責
任が問われるかもしれない。
その答えが出る前に、人づてで機会があ
って、東京にある小さな芸能事務所の不
動産部門をまるごと使えることになりま
した。
不動産部門といっても、実質はまったく
可動していない不動産部門。
その芸能事務所の社長は宅地建物取引
士を持っていて「いつか大きく儲かるん
じゃないか」と思い、宅地建物取引業の
免許を取り30年近く免許更新だけをし
ていて、一度も売買契約や賃貸契約も
したことがない。
免許番号だけみると、古いし更新数が
多い。
老舗の不動産会社みたいです。
だから喜んで、不動産部門ごと貸してく
れたんです。
ただ、机と電話がひとつの事務所で、
100%誰も来ない。
昔売れたタレントさんが数人登録や業務
提携しているだけで、事務所にはその人
たちも来ない。
一人だけ、時々仕事が入ってくるような
20代の女性タレントさんがいたのです
が、全く聞いたことのない人でした。
その人も事務所には来ません。
社長も基本的には事務所に来ないので、
連絡をしないと事務所が使えないのです
が、不動産部門を運営するという業務委
託契約でノルマもなかったので、けっこ
う気楽にやっていけました。
売買契約があったときは、総手数料また
はコンサルティングフィー全額の60%
がこちらの取り分。
この取り分率はフルコミ分としては多め
なのですが、事務所の社長は不動産に関
してはまったくの素人のせいか、これで
いいとのことです。
本当に大丈夫かと、こっちが心配をして
しまいます。
ちなみに最近は、不動産フルコミ営業募
集。コミッション90%とかの訳の分か
らないネット求人を見かけることもあり
ますが、会社経営から考えるとありえな
いですね。
また、そのパーセンテージの場合、宅地
建物取引業法の「名義貸し」に抵触する
可能性が、非常に高くなります。
この辺りは、不動産法務専門の行政書士
である 山地正朗先生(杉並区)が詳し
いので、先生のホームページを見てくだ
さい。
そして芸能事務所の社長からも、不動産
売買話が出るようになりました。
これが一般のお客さんだったら、こちら
も対応します。
また、鉄道系や銀行系不動産会社からの
紹介だったら、もちろん対応します。
しかし海千山千の、しかも芸能界がらみ
の案件。
乗ると面白いかもしれませんが、リスク
がありそうです。
こちらが全責任を負う個人事業主として
は、慎重になります。
高級なお店ではないのですが、初めての
お客さんや、軽い先の紹介のお客さんな
どの一見さんは断りたいのです。