yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

ゲロのiPhone廃棄(無くしたスマホ①/⑤)

 

駅のセキュリティ業務の中の一つに、到

着した電車の車内点検があります。

電車内にお客さんが残っていないか、忘

れ物がないか、電車内が汚れたりゴミが

落ちてないかが主なチェック項目です。

 

そしてそこに最近は、空気循環のために

開けていた窓を閉める業務が増えてしま

いました。

15輌編成だと70枚もある窓。全部開

いていたら、閉めるだけで疲れます。

 

こんな中で面倒なのは、酔っ払って寝て

いるお客さんを起こして、電車から降ろ

すこと。

すぐ起きて素直に降りる人もいれば、泥

酔してまったく起きない人もいます。

更にその中で、寝ぼけながらからんでく

るのが面倒です。

 

そして多いのが忘れ物。

雨の日の傘なんかは、一本10輌編成の

電車が来ると、最大で25本あったとき

もありました。

 

他には鞄、上着、楽器、お土産など。

珍しいのでは、新品のそば打ちセットや

遺骨なんかがありました。

なぜ忘れる?

 

また、多いのがスマートフォン

1本10輌編成の電車で、最大8個のス

マホを拾ったこともあります。

 

多分まだ酔っぱらっていて、スマホを忘

れたことさえ気が付いていない。

 

または、途中で気が付いてあせって、何

処からか電話をかけてくる。

かわいそうな気もしますが、電話してき

ても僕らはそれに出る権利がない。

電話に出て、「あなたのスマホは確保し

てあるから、安心してください。明日、

〇〇駅まで身分証明書を持って取りにき

てください」とは言えないんです。

 

それらを確認して連絡するのは遺失物係

です。

彼らに、拾得した列車番号と車両番号・

時間・物品名を記入したメモを渡して、

引継ぎます。

規則で、それ以外にできることはありま

せん。

 

その、よく拾うスマホですが、こんなこ

とがありました。

 

数年前の12月の週末。まだ新型コロナ

の前のことです。

ボーナスの後。当然のように遅い時間帯

の電車には、山のような泥酔客があふれ

ています。

大半の人の足元がしっかりしてなくて、

まるでゾンビのようによろめきながら、

近づいてくる集団。

 

そんな中、点検電車の床にiPhoneが落ち

ていました。

 

たっぷりの嘔吐物の中に・・・・・。

 

すぐにゴム手袋をして拾い、拾得メモと

一緒に改札へ。

(遅い時間は遺失物係が終了している)

 

すると駅員さんから、

「ごみ箱に捨ててください!」

 

僕「いや、受け取りをお願いします」

 

駅員「私にその汚れたスマホを受け取れ

と言うのですか。それに触れることで私

が病気になったら、責任が取れるのです

か。あなたはおかしい!」

「駅の規則です。ここで見てますから、

いま私の目の前で、そこのごみ箱に捨て

てください!」

 

かなりテンパっていて、話にならない。

 

 

仕方なく、新品のiPhoneを捨てました。