yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

おじいさんが居た(湘南台の首つりの家⑩/⑪(不動産百話①))

 

こういう物件も、安いので気に入るお客

さんは必ずいます。

自分で住む人もいれば、粗利回り確保の

投資用で買う投資家さんもいます。

 

自分で住む人は、値段で割り切ります。

あるいは、こういうものが分かる、自分

で解決できる人です。

 

30年ぐらい前に、横浜の本牧にあった

火事で一家全員が亡くなった物件は、建

売業者さんが買って新築を建てました。

しかし建てた直後に、残っていた庭の木

で近所の人が首つり自殺。

どうしようもないと思っていたら、とん

でもなく値段を下げたところで、34歳

のお坊さんが買ってくれました。

「確かに木の所にまだいるけど、自分だ

ったら何とかできそうだ」とのこと。

 

やはり専門家?は違います。

こっちには全く分かりません。

 

また投資家さんは、あまり気にしない。

うまくリフォームして賃貸に出し、いず

れ売却する。

その時は、一度人が住んでいたので、事

故物件としての要素が薄まって、間違い

なく買ったときよりも高く売れます。

 

 

そして今回の物件ですが、何回も何回も

現地案内が入ってはダメ。

「やっぱり気味が悪い」って、最初から

分かっているだろう・・・。

 

ただ珍しいから見に来たお客さんなんか

にも対応しながら、いつ終わるんだろう

と思い始めたころ、20歳代後半の若い

夫婦が現地を見に来ました。

藤沢市にあるフランチャイズ系不動産会

社に、アパートを借りに来たとのこと。

 

対応した営業マンが、家賃より安い住宅

ローンが組めるかもしれないし、頭金も

無しで買えそうなので、購入も検討して

みたらどうですかと紹介してくれたよう

です。

 

まだ生後半年ぐらいの赤ちゃんを抱いて

いる元気な奥さんと、とても物静かなご

主人。

 

まずは外観を見て気に入ったようです。

なんとなく、いいご縁がありそうな感じ

がしました。

家の中を見はじめたときに、その奥さん

がご主人に赤ちゃんを急に渡しました。

 

「ちょっと抱っこしていて!」

家に入るなり、急いで階段を駆け上がっ

て行きました。

 

驚いているご主人と仲介業者さん。

 

1~2分で2階から戻って来ました。

そして奥さんが

「2階におじいさんが居たから急いで行

ったのに、どこかに行っちゃった。」

「もう戻って来ないみたい。でも、ここ

はいい家だから買おうよ!」

 

何が分かったんだ?

誰がいたんだ?

やっぱり居たのか?

 

 

若干の値段交渉はあったものの、売買契

約が進みました。