yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

100万円を燃やすな(100万円を燃やすな①/⑨(不動産百話⑤))

 

これも30年ぐらい前の話だったんです

が、それから20年も付き合いが続いて

しまいました。

 

国会にも参考人として招致された。

当時は、Hというマンション分譲会社の

社長の話です。

これがなかなかの曲者。

週刊誌やテレビで、さんざん取り上げら

れていました。

最後は詐欺罪で逮捕されて、自己破産と

一家離散になった社長。

それまでは、お金を湯水のように使い、

好き勝手三昧だった人です。

 

そこは僕の出向先だったので、実はもっ

と詳しく知っていることがあります。

ここではそのエピソードを、書ける範囲

で書いていきます。

書けないことも結構多いので。

 

僕は、せっかく鉄道系不動産会社に入社

したのに、すぐ出向になってしまった。

出向先は二つ。

最初の会社がここでした。

出向時の社名は、Hセンター。不動産流

通チェーンの、J通チェーンというところ

に加盟して、主に不動産売買と賃貸の仲

介業務を行っていました。

 

当時のこの社長は35歳。

岩手県の高校を卒業してから職を転々と

し、最後はM建設というマンションデベ

ロッパーで販売営業をしていました。

本人曰く、常に営業成績がトップで稼ぎ

まくったそうです。

少しの誇張はあっても、まったくの嘘で

もなさそうです。

なぜならそこで貯めたお金で、29歳で

不動産会社を起業し、6年で5店舗まで

増やしているからです。

 

ただ、ぜったいに正攻法ではないはず。

時代が違うとはいえ、ギリギリのことを

やってきたような匂いがプンプンする。

そしてそれを証明することが、これから

いくつも僕を襲いました。

出向解除にならなければ、せっかく入社

した鉄道系会社を辞めそうなぐらい。

 

たくさんのエピソードがあるのですが、

その原因は社長の金銭感覚。そして気ま

ぐれと悪い酒癖。

最後に女性問題です。

 

その社長は、O社長。

夕方にはいなくなる。

そう、どっかのちょっとお高い飲み屋に

行ってしまう。

会社の決済とかいろいろな用事があるの

で探しに行く。それも僕の仕事。

 

あるスナックで社長を見つけました。

何故か頭にネクタイを巻いています。鉢

巻のように。

こんなの漫画でしか見たことがない。

それに団扇がわりに、帯付きの100万

円で扇いでいる。

 

 

そしてライターを出し、おもむろに札束

に火を点けた。

「金なんていくらでも稼げるよなー。こ

んなの燃やしちゃえー」

 

(嘘だろう、稼げねーよ。100万円を

燃やすなよーーー)