yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

そうだ、旅に出よう(100万円を燃やすな⑦/⑨(不動産百話⑤))

 

当時も今と同じような感じで、不動産業

界の競争は激しいものでした。

 

そこに、1000万円も高く簡易査定し

た「売却マンション求む!」のチラシ。

簡易査定といっても、ある程度ちゃんと

したものではなく、お客さんから売却依

頼を取るためだけのいい加減な、いわば

引っ掛けチラシ。

更に、それを配布しているのは、ど素人

の営業集団です。

トラブルが起きないほうが、おかしい。

 

高く売却依頼を取ったから、売れない。

お客さんからは、

「どうなっているんだ」と言われる。

ど素人の営業なので、答えることができ

ない。ますます不信感を持たれる。

 

この、ど素人の営業集団には、教えてく

れる人もほぼいません。

 

社長に聞いてみると、

「住宅情報を見ながらしゃべれ!」

 

(何だそれは。本を見ながらしゃべれる

か。本を見ながら説明したら変だろう)

 

だいたいみんな、住宅情報の見方さえよ

く分かっていません。

ある営業マンは、お客さんの質問に答え

られずにいたらお客さんから、

「あんた勉強不足だよ。ちゃんとして」

と言われた。

そしてその返しで、

「私は勉強不足ですが、お客さんも勉強

不足です。一緒に勉強しましょう」

 

(何のことだ。なんでお客さんが勉強し

なけりゃいけないんだ?)

こんな集団。

 

東京もトラブルが多かったんですが、一

番トラブルが多かったのは、横浜です。

それは、いい加減なプラス1000万円

査定のせい。

東京よりも横浜の方がマンションの価格

が低いから、1000万円もプラスする

と、まったく売れなくなります。

この超いい加減なやり方は、横浜の業者

の方がダメージが大きかったため、そこ

からのクレームが凄かった。

適当な査定をしたために、まじめに査定

をしていた業者さんのお客さんから、

「本当はもっと高く売れるのに、あなた

は安く売らせようとしたね。別な業者の

査定は、もう1000万円高かったよ」

 

(いや、間違いなくその業者が正しい)

 

売却依頼物件は売れない。会社にはクレ

ーム電話が鳴り響く。

売却依頼を取っただけで、40人の営業

マンに、1ヶ月で総額2000万円をこ

える給料を払ってしまった。

更にに社長がやっていた買取物件の取り

やめで、3000万円の損が加わった。

もともと会社に、お金が無いのに。

 

そこにニコニコ顔の社長がやってきて、

「みんな、こんなときは気晴らしで、箱

根に行くぞーーー!」

 

 

(おかしい、おかしいよ社長。気晴らし

なんかしないで、何か対策立てようよ)