yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

売りたくないお客を詰めていく(銀行の不動産情報⑦/⑫)

 

このお客さんは、まだその不動産を売ろ

うとは考えていませんでした。

特に処分する理由もないし、お金にも困

っていない。

上野で精肉店を経営している、70代の

ご夫婦です。飯田橋は奥さんの実家があ

ったところで、今は両親とも亡くなって

いて、その家はずっと空き家になってい

ます。

それが今回の調査の対象不動産のひとつ

でした。

 

僕が調べた登記情報を受け取った渉外2

課長は、登記名義人と住所、抵当権(借

り入れ)を確認し、銀行の端末を使って

その名義人がM銀行のお客さんとして登

録されているかを調べます。

いくつか渡した複数のお客さんの登記情

報(全部事項証明書)の中で、数件がヒ

ット。

ヒットした中に、上野で精肉店を営むこ

のお客さん(Sさん)もありました。

次は、そのお客さんをどの支店の誰が担

当しているかを確認。そしてその担当者

に電話をかけます。

今回担当していた支店は上野支店。担当

者は、K課長代理。

電話で確認するのは、そのお客さんの仕

事や人物、家族構成なんかです。今回の

お客さんのSさんは、上野で精肉店を営ん

でいることが分かりました。それから本

人と奥さんの年齢や子どもがいるかを聞

いていきます。それで、本人が72歳、

奥さんが70歳で子どもはいない。店の

経営状態は安定しているものの、仕事の

引き際みたいことも話に出るようになっ

てきている。夫婦関係は表面上は良好。

M銀行の融資は少し残っている。

飯田橋の空き家になっている奥さんの実

家は使う予定もないが、売却する必要も

ないのでそのままになっている。

 

そして渉外2課長はK課長代理に、将来の

相続に絡めた話をして揺さぶりをかけて

くれないかと提案する。

話しているうちにK課長代理は、親族に経

営させている精肉の2号店の経営が思わ

しくなかったことを思い出します。

直接には経営に関係はなかったものの、

奥さんの妹の子どもに経営させていたの

で、気にしている様子だったと。

 

 

渉外2課長は、

「そこを突いて、融資と不動産売却をや

りましょう」

融資は提案すればいい。

不動産売却は、しなければいけないよう

に詰めればいい。