yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

それは自己責任です(銀行の不動産情報⑫/⑫)

 

この計画は、意外と早く進みました。

それから5ヶ月後、その社長が病気で入

院して、実際の経営に関与できなくなっ

たからです。

副社長に経営全般を任せざるを得ない。

古参の社員もいたのですが、銀行側が

根回しのやり方を指導しておいたため、

副社長の計画に反対はほとんどありませ

んでした。

 

銀行の融資は、新規のものではなく追加

融資でしたが、浜松町駅徒歩4分の小さ

な本社ビルだけではなく、近くにある土

地100坪の空き倉庫も担保に加えて、

根抵当権の枠を広げて融資します。

 

それから8ヶ月後に社長が亡くなりまし

た。でも事業に影響はありません。既に

実際の経営は副社長に委ねられていたか

らです。

本社ビルや空き倉庫は会社名義なので、

相続の対象にはならない。しかし、千葉

県の松戸駅近くに社長の個人名義の土地

300坪近くがありました。これは個人

名義なので相続の対象です。

会社はそんなに余裕がある訳ではなく、

タイとベトナムに事業進出したばかり。

 

個人の相続の基礎控除額はこのときで、

5,000万円。プラス1人×1,000万

円です。今回は合計、7,000万円。

(いまは基礎控除3,000万円。プラス

1人×600万円(2021.11.30現在))

都内に個人名義の自宅もあったので、億

単位の相続税がかかってしまい、手持ち

の現金では払うことができない。松戸の

土地を売却することになりました。

ただ、社長はここ数年体調が悪かったた

め、相続対策でこの土地を会社名義に変

更しようと思っていて、銀行に相談をし

ていました。

本当なら銀行は、早く対応したほうがい

いんですが、銀行にとってすぐメリット

のないものには、具体的なアドバイス

せず、そのまま棚上げしていた。だから

相続の対象になって税金がかかってしま

った。

 

そのあたりを薄々知っていた娘さんは、

銀行の担当者に少し強い態度で話にきま

したが、銀行側は「税理士に相談するよ

うに説明している。それをしなかったの

は自己責任です」と応対。

ここでのポイントは、確かに税理士の話

はしていますが、社長への説明が軽く、

本当に相談に行ったほうがいいような言

い方をしていなかったことです。

 

 

銀行の担当者は、確かに税理士の話を振

ってました。しかしこれもテクニック。

軽く話してアリバイをつくり、その裏で

は信託銀行の担当者や僕に、

「近々相続がらみの事案で松戸のマンシ

ョン用地が出そうだから、購入先を探し

ておいてほしい」と指示が出てました。