yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

君は持ち逃げ君?②/②(不動産百話⑥)

 

社長は激怒しています。

会社の資金繰りは常に火の車、自転車操

業です。つまりペダルをこぐのを止める

とそこでお終い。

なのに社長の浪費癖は治らない。

毎日いろんな意味でドキドキするような

状態なのに、そこに50万円持ち逃げ。

社長が怒らないはずはありません。

 

D主任は独身で、携帯電話も無い時代な

ので、まったく連絡がつかない。

当然家を訪ねても不在。打つ手がなく、

警察に相談して被害届けを出しました。

 

それから1ヶ月ちょっと経ったある日、

D主任が昼過ぎにやってきました。

「よう、みんな元気?」

「ちょっと有給休暇を取ってたからさ、

心配したでしょ」

「でもこのとおり、まったく元気です」

「明日から普通に会社にきま~~す!」

 

(どういうこと?)

(50万円はどうなった?)

(なぜ平気でここに来る?)

 

常務が出てきて問い詰めます。

「なぜ何も言わずに勝手に休んだ」

「なぜ連絡がつかなかった」

「お客さんから預かった50万円はどこ

にやった」

「こっちは警察に被害届けを出している

んだぞ!」

「今ここで50万円を返せ!」

 

D主任は、

「いやいや何をそんなに怒っているんで

すか。あんたおかしいよ」

「有給休暇は社員の権利でしょう」

「それにとやかく言うのは、社員の権利

を侵害している」

「50万円なんて、俺の知らないことの

責任を押し付けるなんて、バカだ!」

「工事の専門家にそんな態度を取ると、

俺はこの会社を辞めるぞ!」

 

50万円を持ち逃げしたくせに、この開

き直り。話を聞いていると、こっちが悪

いような気さえしてきます。

 

当然に常務は激怒。

周りの社員も怒っています。

そして常務は、

「みんなでこいつを捕まえろ~~~!」

 

そこにいた男性社員4人と常務で、D主

任を取り押さえました。床に引き倒して

腹ばいににさせ、上に二人が乗ります。

 

D主任は、

「お前らこの暴力は許されないぞ」

「ちょっと気軽に有給休暇を取ったら、

この仕打ち。ふざけんな!」

「俺の権利をどう考えているんだ!」

 

10分もしないで蒲田警察から警察官が

来て、引き渡し。

 

 

捕まるときに言った言葉がすべてかも。

「50万円は1ヶ月経ったら時効だろ」

持ち逃げを認めています。

どう考えても、意味が分からない態度。

多分、お金を使い果たして困ってしまっ

たうえで出社。

でも普通は、持ち逃げした会社に出社は

できません。