今回も予算なしのツーリング。
まだ富山県なのに、残金は8,000円し
かありません。
そこから日本海側をひたすら走り野宿し
て、4日後に青森の実家に帰り着きまし
た。残ったお金は3,000円。
危ないところでした。
今回のツーリングは11日間。走行距離
は、約2,500km。
最初の4日間の平均走行距離は、1日あ
たり、約322km。
ツーリング車にテントなんかの荷物を積
んで走ったにしては、なんとか頑張った
ような気がします。
特に夜間は大変だった。なぜならライト
がダイナモだったからです。
させて点灯します。するとタイヤに抵抗
がかかってペダルが重くなり、走りにく
くなります。
今回はけっこう夜も走ったためこの負担
が大きく、キツイ思いをしました。
後でレースに出るようになって思ったの
は、もしも同じコースをテントなんかを
持たずにダイナモも無しで、きちんと毎
日練習をしてからロードレーサーで走っ
たら、たぶん3日を切っていたはず。
再度チャレンジしなかったことが、今で
も悔やまれます。
それから1ヶ月後、当時の青森競輪場で
開催された「素人足自慢」みたいなもの
に出てみました。
種目はキロメーター、1kmを自走してタ
イムを競うシンプルでトラック競技の実
力が分かる基本の種目。
初めて走る競輪場。カーブに傾斜がある
なぐらいしか覚えていなくて、とにかく
緊張して何回もトイレに行った。
この時の青森競輪場は合浦(がっぽ)公
園に隣接していて狭いため、直線が長く
てカント(斜面)がきつく、カーブが急
でした。
自分の番になり、サドルを押さえてもら
ってスタンディングスタート。ペースも
何もなくただただ全力で走り切ったタイ
ムは、1分41秒。30人中25位。
タイムは、1分22秒。
このときはこの自分のタイムも、優勝し
た人のタイムもいいのか悪いのかさえ知
らなかったんです。
本当は、素人大会にしても酷いタイムだ
ったんですが、何も分からなかった。
ただ、僕が走ったときに何かザワついて
いた。歓声みたいなものも聞こえた。
そして走り終わって息が切れていたとこ
ろに大会関係者が来て、聞いてきた。
「君は自転車を持ってないの?」
(いま自転車で走ったんだけど?)