yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

誰も住めない部屋(マンション買うつもりないけど②/⑥(不動産百話⑦))

 

平日だったので、電話を受けたのはMさ

んの奥さん。取り合えず次の日に内見す

ることになりました。

 

翌日、奥さんが子どもを連れて、叔母さ

んという人と一緒に来室。まだ家具の残

る引っ越したばかりの部屋。片付いてい

ませんが、そんなことより部屋の広さと

明るさに驚いた様子。

この部屋は角部屋なので窓が多い。自分

たちが住んでいる隣の部屋とは明るさが

全く違います。そして少し広めのベラン

ダに続く広い広いルーフバルコニー、2

部屋分の150㎡もある。このマンショ

ンで一番広いルーフバルコニーです。

 

見初めは慎重な感じでしたが、すぐにテ

ンションが上がって、どうやったら購入

できるかという話しに変わっていきまし

た。叔母さんも気に入った感じ。

僕が見ても、いい物件だと自信がありま

した。そしていい物件は普通は高い。し

かしこの物件は格別に安いんです。

 

それは、誰も住めない部屋だからです。

 

誰も住めない部屋?

 

その理由は、僕が得意?とする事故や事

件の訳あり物件ではありません。

実は売主のYさんからは、2年も前から相

談を受けていました。自分たちの生活が

おかしくないかという相談。

 

これはまだ4年前の話なんですが、その

とき売主のYさん夫婦は50代でした。で

も気になっていたのは、奥さんが常に疲

れたような雰囲気だったこと。

ある日、しばらく見かけなかった奥さん

が、管理室に相談にきました。

「センバさんって不動産コンサルタント

なんですよね?少し聞いていいですか」

 

相談の内容は生活のことでした。30年

ぐらい前の結婚当初から、すべてについ

てご主人から命令されていた。そして口

答えが許されなかったこと。

食事なんかでも、魚が食べたいというの

で作っていたら、途中で肉が食べたいと

変わってしまう。もう作り始めていると

伝えると怒りはじめる。何時間も。

そんなことが生活全般に渡ってずっと続

いていた。モラルハラスメントです。

 

 

更に最近は暴力まで加わって、先日、大

学生の娘と一緒に実家に逃げた。

そして今日は、必要な物があるのでご主

人がいない間に取りに来たけど、万が一

のことを考えて、立ち会ってほしいと頼

まれたんです。