yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

選んでしまった履歴書(選んでしまった履歴書①/②(不動産百話⑧))

 

これも鉄道系不動産会社から出向してい

たとき、蒲田にあったHセンター不動産

での話です。

 

その日の社長はご機嫌でした。

いや、正確に思い出すと、昨日の午後あ

たりから機嫌がよかった。

 

僕は社長に頼まれていた企画で、来年初

めて行う新卒の採用プランの基本案を作

ったので、それを説明するために社長室

に向かいました。

隣の経理室を通って社長室に入るんです

が、経理の女性二人のうちの一人が社長

の奥さんで、事前に社長の機嫌を教えて

くれます。

僕は出向の身分なので、細かいことを言

われたり怒られることはほとんど無いの

ですが、他の社員は大変です。社長の気

分で、何もしてないのに怒られる。それ

も長時間。

かなり大変。

 

奥さんの言うように、その日の社長はご

機嫌でした。

僕の新卒採用企画に目を通すと、ニコニ

コしながら、

「いいね~~~。さすがだよ、いい企画

だ。これで行こう」と一発採用。

 

僕が心配していたのは、社長の見えを張

るところです。会社にはそんなにお金の

余裕はありません。でも社長は何でも派

手にやりたい。

今回の新卒採用企画も社長の意向で、有

名な会社に広告から採用プランまで任せ

たい。白羽の矢が立ったのはR社。超有名

な会社です。

それはそれでいいんですが、何しろ金額

が張ります。この時の初期提案の金額は

800万円でしたが、社長がいろいろ注

文をつけていくので、最終的にかかった

のは、約2000万円でした。

心配通り、予算を超オーバー。

 

僕の企画に目を通したあとに社長から、

これも見てくれないかと言われたものが

ありました。それは履歴書。

経理スタッフが足りないので、一人採用

したいとのこと。そして僕にも選んでほ

しいと、4枚の履歴書を渡されました。

でも僕はその人たちに会っていません。

だから選べないと伝えたんですが、直感

でいいし参考にしたいだけだからと言わ

れて、写真だけで直感的に一人を選びま

した。

 

 

社長室から出ると社長の奥さんは出かけ

ていて、もう一人の女性経理スタッフの

Wさんだけでした。

そしてWさんから、

「選んじゃったね・・・」と言われた。

 

なに?なに?なに?