聞いたこともない「other」。
(正常な細胞に分類できなかったものっ
てなに?)
W先生からの説明では、正常なものに分類
できなかったもの、つまり異常な細胞と
のこと。これが白血球、赤血球、血小板
を少なくしているようです。
あまり詳しくはない。だって初めて聞く
ことばかりだから。
骨髄から血液ができるのは知っています
が、そこで受けた説明では、骨髄からは
血液のもとになる芽のようなものが出来
て、それが更に育つ段階を経て、そこか
ら白血球、赤血球、血小板やリンパ球に
なるそうです。また、大きく分けて急性
白血病は二つあって、白血球が異常細胞
に変わるタイプ。これが約80%。そし
てリンパ球が異常細胞に変わるタイプ。
これが約20%です。
この時点ではまだ確定診断ではないので
すが、白血球の少なさから、妻はおそら
く白血球が異常な変化をしたタイプに当
たるのではないかとのこと。もう少し検
査をして、他の先生たちとその検査結果
を総合的に判断し、最終診断にするので
ちょっと時間がかかるとのこと。
(時間がかかっても大丈夫なのか)
(時間がかかってもいいから、しっかり
診断して治療してほしい)という二つの
反する気持ちが交差する。
この「other」という異常な細胞の数値な
んかは、見せられても分かりません。と
にかくそういったものがある、といった
ことだけしか分からない。ただ、そこで
(あれっ?)と思ったのがW先生の言葉。
「この異常細胞の数値はあまり多くない
んですが、本来はゼロでなければならな
いものです」
(えっ、あまり多くないんだ。それって
悪いことではないんじゃないか?)
その僕の一瞬の表情を見たのかW先生は、
「数値が少ないからって今日帰れるわけ
ではありません。入院は必要です」
(帰れるなんて思ってないけど・・・)
最後にW先生から、
「1ヶ月程度の入院になると思います」
「確定した診断と治療方針は、近々主治
医のH先生からご連絡します」