だから、たぶん僕の行動は、そのことに
基づいているはずなんです。
もちろん妻や子供、母親や兄弟には言う
つもりもなく、心のどこかのしまってあ
る感覚。
もちろんそんなことが起きる確率はとて
も低くて、厚生労働省のデータなんかで
も、僕の年齢で死ぬ確率は1%ぐらいの
ものです。
でも、去年かかった新型コロナウイルス
は、当時の罹患率が1%未満でした。
そして親友の「竹内君」が2月に亡くな
っている。
そう、1%の確率は、意外と大きい。
僕はいま出不精。
30代のころまではそんなことはなく、
いろんなところに出かけることが大好き
でした。でも年齢を重ねるとともに、あ
まり出かけなくなった
その分、家で妻と話していることが多く
て、ともすれば一日中ずっと話していま
した。
それがある日突然無くなった。
いくら LINEやメールをしても、そんなも
のには限界がある。
子どもたちも出かけた平日の昼、仕事を
キャンセルして、久しぶりに映画を見に
行きました。一人で映画を見に行くのは
中学2年生以来です。何十万年ぶりとい
う感じ。
去年の映画なので、近くでやっているの
は、「横浜ブルク13」ぐらいでした。
見るのは「ドライブ・マイ・カー」。
村上春樹さんの短編小説が原作で、アカ
デミー賞国際長編映画賞を受賞したのこ
ともあって見たかったのですが、何とな
く忙しくて、いまになってしまった。
一日に一回しか上映していないし、サイ
トの予約もゼロ。誰もいなかったら嫌だ
な~と思いながら行くと、意外と人がい
ました。ざっと60人ぐらい。
ただ、年齢層を見ると僕よりも年上っぽ
い60歳代中ぐらいから70歳代。ほと
んどが二人。夫婦で見に来ているみたい
で、一人で来ているのは僕だけでした。
ちょっと不思議だったのは、自分でもそ
うなんですが、どうして今この映画を見
に来る人がいるんだろうということ。
なぜならこの映画の公開日は去年です。
2021年8月20日。
見た日は、2022年5月12日。公開
日から既に9ヶ月近く経っている。