病院に来る前に、家で冷たいお茶を飲ん
でいました。2リットルの大きなペット
ボトルのお茶。
その残りがちょうど半分ぐらいでした。
つまり、それぐらいの骨髄を採取する。
採取するときに刺す注射は、そんなに痛
くないそうです。いや、そんなことは信
じられないのですが、看護師さんはそう
言っています。
(それって自分で経験しているの?)と
思ってしまう。
でもちょっと理解できたのは、刺すより
も採取するとき、骨髄を抜くときのほう
が痛みを感じるみたいです。
それは仕方がない。だって本当は、抜い
ちゃいけないものだもの。命にかかわる
部分。国語辞典によると「髄」とは、
「物事の中心となる最も大事なところ」
だそうです。
骨髄は骨の中にある最も大事なところ。
それを抜くとは・・・・・。
しかも百回も注射する。
これを最初に聞いたときは、うつぶせに
なって全身麻酔で意識を失っているむき
出しの腰に、100本まとめて注射され
ているような、刺さっているような、変
なイメージを持ってしまいました。
それはおかしい、怖すぎる。
実際は、ボールペンの先ぐらいの太さの
注射を3ヶ所に刺して、そこから100
回抜きます。そう、会社の健康診断の、
採血のときみたいなイメージです。一本
注射して、そこから2~3回血を抜いて
いく感じ。
でもそれを、100回。3時間近くかか
ってやるとなると、全身麻酔でないと耐
えられない。想像しただけで無理です。
すごいなと思ったのは、骨髄バンクに登
録している人たち。当然このことの説明
を受けて、それでも登録してくれていま
す。本当にありがたい。
その人たちは白血球の検査も終えて、白
血球のタイプも分かっています。
1954年に発見された白血球のタイプ
ですが、それまではこれがあるのが分か
っていなかったため、この治療方法はあ
りませんでした。
最後に看護師さんから、
「限度額適用認定は申請されてますか」
本来骨髄移植には、最低でも300万。
最高だと、500万円もかかります。