よく、頑張っている人に
「頑張って」と言ってはいけないと言い
ます。
分かりやすかったのは二つ。
去年のオリンピック 「TOKYO 2020」
でのこと。
ある選手が競技終了後のインタビューで
「こっちが頑張って走っているのに「頑
張れ」と応援してくる観客がいる」
「十分頑張っているよ。そこに更に頑張
れというのはおかしくないですか」
「まるで頑張ってないみたいじゃないで
すか」こう答えていました。
TOKYO 2020 2021年7月 横浜
それはすごくよく分かります。だって頑
張っているんだもの。
そしてもうひとつ。
病気の人。特に重い病気だったり、精神
的な病気のとき。
体の病気でもそうですが、精神的な病気
のときは、相手の気遣いやかけてくれる
言葉にとても敏感になります。その言葉
ひとつで少し元気をもらったり、逆に落
ち込んでしまったりする。
それも、言葉をかけた人が思っている以
上に大きく、重大にです。
親族で、うつ病にかかった人がいます。
本人が言うには、会社での残業時間の長
さと上司のパワハラ。
今では考えられないんですが、20年ぐ
らい前には当たり前のようにあった。
彼はシステム開発の大きな会社で、毎日
5時間以上も残業していた。そんな生活
を 3年も続けていたら、体調と精神面の
バランスが崩れてしまいました。でもそ
れを理解してない上司は、「頑張れ」と
言ってきたりする。
実はこの病気は、脳の病気です。脳の動
きが低下することによって起きます。こ
のときに「頑張って」というような言葉
をかけると、本人にはプレッシャーにし
か感じない。ますます精神的に追い詰め
られてしまいます。
これらの二つの「頑張れ」は、相手と深
い繫がりがないから伝わらない。だから
問題になってしまう。
妻の病気は重い病気で、精神的にかなり
辛く感じることが多い。
でも、こんなときに、家族であれば使っ
ていい言葉、伝わる言葉があります。
頑張っているときでも言える素直な応援
「頑張れ!」です。