移植手術が終わってから、内線電話を使
って 5分ほど妻と話していたら、H先生
が面会室に来てくれました。
まめな先生で、何かあるときは必ず連絡
してくれます。今は移植の結果の話し。
「とてもスムーズに進みました」
「3週間から 4週間後に、生着確認が取
れると思います。早くて 8月11日頃。
遅くても 8月18日頃までには結果が分
かります」
最終的には、8月25日が確定診断日。
その日までに、好中球が 3回、500個
を超えないと治らない。
やはり、気が気ではありません。
ちなみに、さっきの移植をした注射器が
2本だった理由を聞いてみると、2本め
は、臍帯血を 1滴も残さないように絞っ
て、そこに生理食塩水を入れて、移植し
やすくした物だったそうです。
だから薄い色をしていました。
移植後の合併症が出ている中、さらにど
んどん体調が悪くなっていく。だるい。
水さえ飲む気になれない。
1m先のトイレにも、よろめきやっとた
どり着く。目まいや吐き気、下痢とむか
つき。ほとんど抜けた髪の残りも、また
抜けていきます。
ベッドの枠に足首やすねが触れたら、そ
れだけでアザになってしまう。手の指の
爪は、付け根の辺りが黒い色に変わって
いく。栄養は、点滴でだけ取っているの
で体の中に水分が増え、顔がむくんで、
瞼が腫れてしまっています。また、喉の
中も腫れているようで、喉が狭く感じて
呼吸がしずらい。そのために、鼻から酸
素を吸入する透明な管をつけるようにな
っている。
そして咳。水分を多く摂っているため、
肺にも水がたまり始めた。だから咳が出
てしまう。それも一日中です。器官が狭
くなっているのに咳がでるから、余計に
苦しいみたい。どんどん気持ちが落ちて
いくのが、見ていても分かります。
でも、何もできない。面会に行って、心
配して声をかけるだけしかできません。
8月8日の月曜日、面会荷物交換に行っ
たときは、寝たきりで起き上がれません
でした。