以前、競泳の池江璃花子さんが、急性リ
ンパ性白血病になったときに、移植手術
後の無菌室の写真を公開していました。
髪の毛が短くなって、この病気専用の帽
子をかぶっていた。でも少し微笑んで、
少しずつ元気になっているような写真。
でも妻を見ていると、実はこういった写
真は、無菌室でもかなり回復したときの
写真だと分かります。何も知らないでニ
ュースを見ていたころは、(回復してき
てよかったな)ぐらいしか思いませんで
した。
妻を見ていると、抗がん剤の合併症が出
ている本当に辛いときの写真なんかは、
公開したくなるものではありません。
臍帯血移植の成功率は、80~90%ぐ
らいです。
単純に考えると、まず大丈夫な感じがし
ます。でも、10万人に 4人しかかから
ないような病気になるということは、生
着しない確率もけっこうありそうな気が
してくる。去年の夏にかかった新型コロ
ナウイルスだって、そのころはまだ周り
にかかった人が少なかった。100人に
一人もかからなかったときに、なぜか罹
患してしまいました。
つまり 1%の確率だって、現実には意外
と大きいということです。いつ何がある
かは、本当に分からないんです。
8月10日の水曜日に、H先生から僕の
携帯に電話がありました。
移植手術の経過連絡。
本人にはほぼ毎日、家族には 2週間に一
度ぐらいは経過報告を入れるとのこと。
術後の経過は良好で、合併症は出ている
けれど、免疫抑制剤で抑えられているそ
うです。
そして僕の思いを察していたのか、
「センバさんが面会にきた 8月8日は、
一番体調が悪い日でした。翌日からは徐
々に回復してきていますよ」
たしかに 8月 8日は、妻からの LINEが
すごく少なかった。でも翌日からは、ま
た沢山くるようになっていました。
この日の H先生の報告は、そのことだけ
でした。僕が事前にお願いしてあったこ
との答えはありませんでした。