yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

覚悟ができないよ(昨日妻が急性白血病になりました② ・ ㊷/㊿)

 

あわてて電話すると、妻はすぐ電話に出

ました。でも泣きじゃくっていて、まっ

たく話ができません。

妻も何か話そうとしているみたいなんで

すが、言葉にならない。嗚咽と咳。

こちらが話しかけても答えてくれない。

たぶん答えようとはしているはずなんで

すが、それができない。

 

そして絞り出すような声で、

「だめだった。だめだった・・・」

「白血球が一つも無かった」

「ゼロだった。たったの一つも無い」

「なんでこんなことになるの・・・」

「私が何をしたっていうの」

「何も悪いことなんかしていない」

「おかしいよ。こんなこと」

「なんで罰があたるの。おかしいよ」

 

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たしかに、まだ生着が始まったばかりの

日です。これから白血球ができてくるか

もしれない。

でも今日の時点でゼロだと不安になりま

す。それに対してまったくかける言葉が

ない。慰める言葉も出てこない。

 

「覚悟ができない」

「まだやりたいことや、子供たちに教え

たいことがいっぱいあるの」

「だからダメでも、覚悟できない」

「むりだよ・・・覚悟できないよ」

 

僕は、

「まだ生着日が始まったばかりだよ」

「明日や明後日には、少しずつ進むよ」

「孫の顔を見なきゃならないでしょ」

「みんな待っているんだからね」

上行寺のお守りを握りしめながら、たっ

たその程度しか伝えられません。

 

 

30分程そんな感じで話しながら、自分

の気持ちも折れそうになってしまうのを

こらえて、やっと妻を落ち着かせること

ができた。

でも明日や明後日というのは、何度も使

えない。だって一日ずつ答えが出てしま

います。ごまかしがきかない。それでも

この場を収めるためには、選べる言葉が

あまりにも少ないので、これぐらいしか

ありませんでした。

 

 

9月17から19日は連休です。だから

血液の検査がありません。逆に言えば、

20日の検査結果が大体のことを表して

しまいます。翌日が生着最終日だから。

心配になった僕は、18日に次男を連れ

て、面会に行きました。たわいない話を

しながら、少しでも妻の不安を取り除く

ためにです。