臍帯血移植での無菌室の入院期間は、約
2ヶ月です。
最初の 5日間は抗がん剤投与。5日目の
午後に放射線照射。そして翌日に移植を
行います。ここまでで 6日かかってる。
その後の 4週間が生着期間。そして 5週
目が確定診断日です。ここで生着してい
れば、2週間後に無菌室を出ることがで
きる。つまり合計 2ヶ月かかります。
妻の血液型
ただ、2ヶ月もいる無菌室ではほぼ移動
できない。ずっとベッドにいるようなイ
メージ。するとどんどん気持ちが落ちて
くる。そして「死」が隣り合わせのよう
な気持ちになり、追い込まれて眠れなく
なっていく。
この自分が入院している部屋で、いった
い何人の人が同じような思いをして、眠
れずこの天井を見つめていたんだろう。
妻も最初は気持ちを張って頑張っていた
ものの、臍帯血移植が進まなかったこと
で、それが切れかかっていました。
また、このころから咳がひどくなってき
た。長引く治療で、肺の中に水がたまり
はじめ、それが原因で咳が出るようにな
っていたんです。同時に胸に痛みが出て
きて、それを緩和させる薬も処方される
ことになり、また薬が増えた。
8月31日に次の移植である、末梢血幹
細胞移植を行いました。また抗がん剤を
投与し、放射線治療も受ける。つまり入
院してから 3回目の抗がん剤投与。2回
目の放射線照射。その間に何度も輸血を
して、抗生物質の投与を受けている。
そしてこの頃から、妻に変化が出始めま
した。表情がうつろになり、話すことが
減ってきた。更に物事を理解するのに少
しだけ時間がかかるようになってきた。
そんな中 9月4日、LINEが途絶えた。
後で分かったことが 2つ。
妻がスマホのメモにつけていた日記は、
9月3日で止まっていました。文字が打
てなくなってしまったんです。
そして末梢血幹細胞を提供してくれた妻
の弟さんが、8月2日から足が痛くなり
始めていた。これは癌が進行し、足に転
移していたためです。でもこの時点で癌
であること、そのステージが 4であるこ
となどは分かっていませんでした。