yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

お父さんは泣き虫(本日妻が亡くなりました㉗)

 

2023年4月10日 長野市善光寺

行ってきました。一人でです。

本当であれば、昨年行われた御開帳のと

きに妻と行く予定だった。予約をしてい

たのですが、その直後に妻が病気になっ

たため、HISさんに電話でキャンセルをし

ました。

キャンセルした後も、病気が治ったら行

くつもりだったけど、結局はそれさえも

叶わなくなってしまったので、新しく買

ったキャメル色の革のキーホルダーに入

れた写真の妻を連れて行ってきました。

 

善光寺

 

富岡製糸場

 

「昨日妻が急性白血病になりました①」

「昨日妻が急性白血病になりました②」

これらの記事と、今の

「本日妻が亡くなりました」と書き方が

違うのは、僕の記憶が薄れるのを待って

書いているからです。細かい日時と当時

を照らし合わせて完全に思い出すのは、

まだ精神的に無理なんです。

いや、もしかしたら、一生無理なのかも

知れません。もしこの現実を完全に受け

止めることができるとしたら、自分の一

生が終わる時だけなのかもしれない。

 

2022年9月中旬、妻の肺に溜まった

水はなかなか抜けませんでした。

数日おきの輸血と白血球の代わりの抗生

物質投与。肺の水を抜くための利尿剤。

痛み止め。咳止め。吐き止め。睡眠導入

剤。他にもその日の状態に合わせたたく

さんの薬。常に点滴の管が腕に繋がって

る状況で、それが複数のときさえある。

そのせいか、水を抜くための利尿剤を使

っているにもかかわらず。心臓にまで水

が溜まり始めました。そしてその水が心

臓を圧迫するために、胸の痛みが強くな

っていった。

 

 

その日は何か予感がして、僕は勤務中に

妻に電話をしました。ふと心配になった

からです。

 

でも電話に出た妻は、すごく楽しそうに

笑っていた。

「いまね、看護師さんと話していたんだ

よ。何だと思う?」

「わかんないよ」と僕が答えると、

「うちのお父さんは、実はとっても泣き

虫だってこと!」

「なんだよ、それ」

「だって私が病気になってから、何回も

何回も泣いてるじゃん」

 

「あのな・・・」

 

それが、妻が楽しそうに笑っていた最後

の声でした。