2023年5月4日、孫の顔を見に、長
男の転居先の宇都宮まで、自分の車で行
ってきました。長女と次男、僕の弟と一
緒です。
孫に会うのは、もちろん妻の楽しみだっ
たはず。そしてその途中で、これもまた
妻と行く予定だった群馬県桐生の「宝徳
寺」さんと、栃木県足利の「あしかがフ
ラワーパーク」さんに立ち寄りました。
宝徳寺さんの「新緑床もみじ」はみごと
なもので、大きな感動を覚えた。また、
石庭や風ぐるまのトンネルも、参拝する
方を楽しませてくれるものでした。
宝徳寺さん
あしかがフラワーパークさんの紫大藤
前回のタイトルの「小さい わたし」は、
エッセイから取ったものです。ポプラ社
さんから出版されています。
読書好きの妻は、いつも 3冊ぐらいの本
を併読していました。この本は妻が最後
に読んだ本。すごく気に入ったようで、
何度も読み返していました。
胸の痛みが強くなってから数日後、やっ
と薬が効いたのか、少しずつ痛みが和ら
いできました。でも肺と頭の感染症は、
ほとんど変わらない。そして理由は分か
りませんが、その日によって体調の波が
大きくなっていった。いや、午前と午後
でさえもすごく違っている。
通常、無菌室の入院期間は 45日程度。
臍帯血移植で治る 80~90%の患者さ
んは、この期間で終わります。それでも
夜に眠れないまま無菌室の天井を見つめ
ながら、
「このまま治らないんじゃないか」
「死んでしまうんじゃないか」
とみんなが思うそうです。
妻は 2回めの移植のため、このとき既に
無菌室に入院してから 60日を超えてい
ました。つまり他の患者さんよりも、とて
も辛い思いをしている。
そんな時に妻から
「口の中が乾いてしょうがない。看護師さ
んに聞いたら、飴やガム、レモン水や氷系
のアイスがいいみたいだから買ってきて」
と連絡がありました。
言われた物を買って病院に届けた。アイス
は、ガリガリ君と爽の洋なし味。
僕は忘れていました。
がん患者さんが末期症状のとき、亡くなる
少し前に、異常に口の中が乾くことを。