かつての律令制に基づいて設置された日
本の地方行政区分の場所に建設されたお
城。今の熊本市中央区辺りです。
これらの地方行政区分は、飛鳥時代から
明治時代の初めのころまでの、日本の地
理的区分の基本的単位でした。今では、
行政的な区分としての役割を終えて、単
純な地理的区分になっています。
別名「銀杏城」と呼ばれているこのお城
は、加藤清正が改築したあとの幕末まで
は、熊本藩細川家の居城で、明治時代に
は西南戦争の戦場になった場所です。現
存する櫓・城門・堀などは、国の重要文
化財に指定され、城跡は国の特別史跡に
指定されている歴史のあるお城です。
なかなかお城の中を見る機会がなかった
ので、天守閣をしっかり見学します。
天守閣のエントランスとなる「穴蔵」。
ここは石垣や井戸などを活かして、江戸
時代の台所をイメージできるような展示
になっている。
築城や河川改修による城下の形成を行っ
た「加藤時代」。更に城を管理をしなが
ら整備を進めた「細川時代」。そして今
に繋がる「近代」と「現代」へと続きま
す。すごく印象に残ったのは、西南戦争
のときの大砲の弾の現物。両手に余る鉄
のかたまり。
近くにいたおじさんが、「こんなの食ら
ったら、よっぽど腹筋が強くないと、痛
いよな~~~」と言ってたこと。
3人で(そんなんじゃ済まんだろう)と
心の中で突っこんだ。
6階の展望フロアから見下ろした熊本の
町並みは、今まで見ていた展示物と合わ
さって歴史と現代を重ねさせ、ふっと時
代を超えた感情を沸き起こさせます。
それから城跡をゆっくり見学し、久しぶ
りに早めに熊本ユースホステルに到着。
18時と早めに夕食を済ませ、そこで声
をかけた大学生の女性3人組とこっちの
3人で、徒歩圏にある「水前寺公園」を
見学。ここは、東海道五十三次を模した
桃山式回遊庭園です。表参道鳥居、能楽
殿、古今伝授の間、湧水池と富士山なん
かが美しく配置されている。
自転車で走り続ける日の中にこんな時間
があると、ツーリングや旅の楽しさから
抜け出せなくなります。