それでは実際には今、最低賃金はいくら
必要なんでしょうか。
家族構成やそれぞれの状況、考え方なん
かによっても大きく違うと思いますが、
全国加重平均で 1,300円 が適正
なんじゃないかと思います。
それは何故か。
この1時間 1,300円 であれば、
東京では 1,400円 です。
も、1,200円。
本来は、地域によって差をつけない、全
国同一最低賃金が目標ですが、現在の首
都圏と地方の経済力や賃金の差を統一す
るのは、なかなか簡単に進まないと考え
て、差があるまま試算しています。
これの根拠は、最も低い最低賃金の地域
で、額面給与が20万円を超えること。
1,200円 × 8時間 × 22日 で計算す
ると 、211,200円。
これぐらいあれば、何とか最低限の生活
が維持できそうです。
大学卒業したばかりの社会人1年めぐら
いの給料ですが、現在の最低賃金だとギ
リギリ生活できない、せめて20万円あ
ればという話しが多い。
そこをクリアするための賃金です。
当然、もっと上がったほうがいいと思い
ますし、将来的にはそうなるべきだとも
考えています。
ただ、現実的なことを踏まえると、経営
サイドがどこまで人件費に対応できるか
といった、大きな問題を解決していかな
ければならない。
他の先進国に比べて圧倒的に低い最低賃
金であっても、一企業の努力には限界が
ありますし、急には対応できません。
最低賃金が上がったことで、労働時間が
短縮されたり雇用が減らされたりしてし
まったら本末転倒。
上げる意味が無くなってしまいます。
その例が韓国。
韓国も最低賃金が低かったため、文政権
は 2018年に16.4%、2019年
には10.9% と大幅に最低賃金を引き
上げました。
その結果、中小企業を中心に企業の経営
体力が低下して雇用自体が減少、あるい
は廃業に追い込まれてしまった事業者も
出てきてしまったんです。
これによって若年層を中心に失業率が上
昇し、経済の二極分化が更に進む可能性
が高くなりました。
企業だけの努力には、限界があります。