yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

さらに不穏な空気が(不動産、逃した三匹の一匹め⑭/⑯(不動産百話⑫))

 

だけど契約書の説明は僕がやりました。

本来ならおかしいことだけど、他にやる

人がいるわけがない。

本社の一番大きい契約室で、契約を内緒

でこっそりと進めています。

契約室の使用予定ボードには、

「センバ 来客打ち合わせ」と書いてあ

るだけです。

都市銀行のエライ人や、僕の会社のエラ

イ人はみんな知っていながら、誰もが知

らないふりをしています。

 

trust-work.jimdosite.com

 

売主は、1法人さんと6名の個人さん。

そして買主は、 H部長が懇意にしている

大宮市のブローカーくずれみたいなおじ

いさんです。

銀行の信用情報チェックにかけたら、過

去にグレーな取引があった人。でも黒で

はありません。そしてお金は持っている

らしい。

 

1時間程度で契約は終了し、1ヶ月後に

残金決済・不動産引渡しになりました。

「なんで「畑」が「原野」になってる」

という話は出ましたが、一人が、

「まあ細かいことはいいじゃない」と言

ったので、そこで終わり。

みんな薄々と違和感を感じていながら、

それよりも、売れないはずの土地が売れ

るんだから早く無事に終わらせたい、こ

の土地からもう縁を切りたい、という気

持ちが強いんです。

これを逃したら、また何十年も経ってし

まう可能性が強いから。

 

でも「原野」になったからといっても、

市街化調整区域には変わりありません。

基本的に建物が建たないし、開発の予定

もない土地を買ってどうすると思ってい

ました。

 

翌日、知らない携帯から僕の携帯に電話

がありました。 H部長の会社にいる30

代の男性営業マンだと言っています。そ

の彼は K君。K君が今回の秘密を内緒で教

えてくれた。

今回の土地は、開発行為に引っかからな

いように、少しずつ土地に家を建てて、

分割販売していく。本来は建てられない

はずなのに建築できるのは、家を買う人

が農家の次男や三男さんだからとのこと

です。その人達には、そういう特例があ

るそうです。

 

 

なぜ自分の会社の秘密を話すのか疑問に

思っていると K君が、

「今回の売買は失敗するよ」

「だって買主はお金を持ってないもの」