yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

畑が農地でなくなった日(不動産、逃した三匹の一匹め⑧/⑯(不動産百話⑫))

 

この「じぇじぇじぇ」は、NHKの朝ドラ

の「あまちゃん」よりもかなり前のこと

です。

つまりこの H部長は、普段からそれを使

っていた。この限られた地方でしか使わ

れない方言を使うのは、間違いなくその

地方の出身者。そう、岩手県久慈市近く

の出身です。

 

trust-work.jimdosite.com

 

どこか信用できない感じの H部長。でも

聞いていくと、確かにこちらが知らない

情報を持っています。

それはこの土地の履歴です。もともとは

市街化調整区域で、数件の農家しかいな

かった地区。しかも川に挟まれているた

めに、一見すると農業に向いていそうな

気がしますが、たびたび川が氾濫し被害

が出ていた。護岸工事なんかはやったの

ですが、街づくり計画もあり、最終的に

広域避難場所として指定され、農地で

なくてもますます建物が建てられなくな

りました。

でもこの H部長には秘策があるそうで、

なぜか余裕の表情です。

「不動産屋には無理だね」と言ったりし

ている。

(自分だって不動産屋だろう)と僕。

 

「とにかく俺を信じて、センバちゃんは

みんなをうまくまとめてよ」

なんだかちょっとムカつく言い方。

それでもやる方向に舵をきったのは、僕

の会社の方針や関係者、あとは時間制約

があったからです。

 

親会社の M銀行の担当者からは、地方の

有力法人が後ろの土地、約1000を持

っているので、必ずなんとかしろ。

僕の会社の本店長や部長からは、取引が

まとまる可能性が低いから、早めに手を

引け。

お客さんの一人は、M銀行の富裕層で、

これからもずっと優良顧客であるはずな

ので断りにくい。

 

そして M銀行の担当者から、

「難しいけど、決まると大きい契約にな

るはずだから、成約時には1本頼むよ」

とプレッシャーをかけられています。

このときの1本は、100万円。そう、

領収証のないお金、裏金の要求。

 

 

土地の持ち主さん達に、取引を進めた方

がいいと話し、まとめる事にしました。

そしたら1週間後に H部長からの電話。

「畑が原野に変わったよ~~~」