yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

お化けの正体(銀行の不動産情報⑧/⑫)

 

上野のSさん夫婦には、K課長代理が話を

もっていきます。

こういった個人経営の店舗には、提案で

きるものはあまりありません。そこで、

上野の本店でやっている揚げ物の販売。

どこでもやっているようなものなんです

が、2号店はやっていない。商店街から

離れていたこともあったためですが、で

も人通りは多いので、そこを提案。

それをやるためには、什器などの設備が

必要ですし古い設備の更新もされていな

かったため、それらをすべて一気に進め

る提案。

そして銀行の融資と、不要な不動産売却

をからめます。すると飯田橋の実家だけ

でなく、横浜市旭区にも空き地を持って

いることが分かり、今回はそっちを売却

する話になりました。

こう書くと、スムーズに話が進んだよう

に見えますが、実際はかなり渋っていま

した。ただ、今までの融資の引き上げと

新規融資をチラつかせながら、2号店の

経営状態を心配させるような話で詰めて

いく。これで最後は折れました。

 

本来は、売却予定ではなかった不動産。

でも、こうやって物件に仕上げていく。

もちろんこういうときは、建売業者さん

が買い取ります。

建売業者さんには事前に話してあったの

で、即契約。

融資の返済、新規融資、不動産売買。

3件の売り上げが、銀行に入りました。

 

「銀行の不動産情報」の初めのほうに書

いた、喉から手が出るほどの優良な信託

銀行の不動産情報の宝の山。

これが絵に描いた餅よりも役に立たない

と書きましたが、その本当の理由はその

ほとんどが売却物件ではないからです。

物件ではないものが信託銀行の中だけと

はいえ、売却不動産として物件情報の紙

になっている。

その理由は、上野の精肉店さんと同じよ

うなものです。

規模はまったく違いますが、理由はほと

んど一緒で、その多くは信託銀行が売り

を仕掛けています。物件情報の元はグル

ープ都市銀行で、その処理を不動産が扱

える信託銀行が行うためです。

例えば、今年のコロナ禍で資金繰りのた

めに本社を売却した会社なんか。

超一等地のビルの売却。この情報も含ま

れています。

 

 

ただ、こんな情報が何かで外部に漏れて

しまうことがあります。

すると物元や価格不明で独り歩きする。

どこが扱っているか分からない怪しい情

報「おばけ物件」として、業者間で紹介

されてしまいます。