yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

一緒に家に帰るよ(本日妻が亡くなりました㉚)

 

2023年5月5日、妻の弟さんの 49

日法要が行われました。妻のときと同じ

場所、東戸塚の「合掌の郷」さんです。

この日も穏やかな天気。風もなく、柔ら

かな陽射しが差し込んでくる。

集まったのは、家族と数人の親族だけの

小さな法要。妻のときと同じような顔ぶ

れが、たった 5ヶ月後にまた揃うことに

なってしまいました。


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ガリガリ君(赤城乳業さんのHPより)

 

ガリガリ君」は、埼玉県深谷市にある

赤城乳業さんを代表する氷菓。ステイッ

ク状のアイスキャンディーです。ソーダ

味が一番ポピュラーで、夏になると必ず

食べたくなる。

その赤城乳業さんのガリガリ君は、令和

元年 6月に日本緩和医療学会の学術大会

で表彰されています。受賞をされたのは、

「最優秀緩和ケア食の維持賞」。表彰状

には「緩和ケアを受ける患者さんの食の

維持を支え、生活の質の維持向上に多大

な貢献をされました」と書いてある。

これはどういうことかと言うと、末期が

んの患者さんの食べることに貢献したと

いうものです。

この状態の患者さんは、もう食べること

ができなくなってきています。そして更

に、唾液が出なくなって口の中が乾いて

しまう。そんなときでも食べられるもの

が、冷たくて口の中でホロリと溶けるガ

ガリ君です。患者さんの多くが、食べ

ることの喜びを思い出し、本当に嬉しそ

うに食べるようです。

 

妻はこのときは体調がすごく悪く、無菌

室のベッドから起き上がれないことも多

くなっていました。

そして唾液が出なくなり、口の中が乾い

てしまう。無菌室に入ってから既に2ヶ

月を過ぎた 2022年9月中旬、何かや

っと気力を振り絞って、一日一日を耐え

ているようでした。

 

 

以前書いたように、僕の仕事先に妻から

「家に帰りたいから迎えに来て」と電話

がかかってきたことがありました。

 

この日も僕が一人で面会に行くと、泣き

じゃくりながら、妻が訴えてきました。

「家に帰りたい。本当に帰りたいの。も

う治療しない。一緒に家に帰るよ。一緒

に家に帰るよ」