yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

A君の幸運の始まり(フルコミ営業の目標の持ち方②/㉚)

取引先のA君は、東京駅近くで商業ビル

とかの買取専門の不動産会社に勤めてい

ました。

勤続2年めの26歳。他社から転職して

きました。

給料は固定給。

ただし、ボーナスは業績給です。

 

僕は彼に、都市銀行の支店買取案件の入

札を紹介しました。

紹介する業者さんの選定は、本社の許可

が要るので、許可を取ってです。

 

当時は、売りに出される銀行の支店がい

くつもあったんです。

 

それは次の理由からです。

 

今から20年近く前ですが、このころは

銀行の合併ラッシュがありました。

1991年のバブル崩壊以降、金融シス

テム上のさまざまな問題から、市場原理

に基づく金融行政が敷かれ、更に自由競

争の中で国際的にも、また国内的にも生

き残るために銀行の再編が加速されたか

らです。

 

銀行が再編されれば、当然に要らない支

店が出てくる。

駅近くの一等地が、ビルが売りに出るん

です。

不動産業者としては、またと無いチャン

ス、大チャンスです。

 

そしてA君の会社は、都内を中心に商業

ビルを買い取っている。

もちろん既存取引先なので、銀行独自シ

ステムの信用チェックは通っています。

しかも主な取引銀行が僕たちの親銀行な

ので、不動産融資も見込めます。

 

そうです、こういった優良不動産の売却

のときは、当然に銀行は融資もくっつけ

たいんです。

そこで融資の成績を取りたいんです。

 

当時、僕たちの不動産会社の法人部は、

不動産を買い取る先の業者を 300社

ほどリストアップしてありました。

全部、銀行の信用チェックの済んでいて

融資も見込める会社です。

いずれ説明しますが「グリップ先」とい

う業者さんです。

 

その先のひとつがA君の会社でした。

 

こういった時の売買方法は、ほとんどが

入札方式です。

社内でのその支店の不動産評価は、

2億5000万円。

 

都内とはいえ北側の区で、少し駅から離

れている。

土地は60坪ほどで、地下1階・地上3

階建ての銀行の支店。

マイナス要因として、建物が築40年経

過しているためかなり直しが必要、ある

いは解体して再建築になりそうな案件で

す。

 

しかも地下には大型貸金庫があります。

これを壊すだけでも、いくらかかるのか

想像できません。

 

15社に絞って入札を行い、なんとA君

の会社が 2億5000万円で落札しま

した。

 

 

そこからA君に、幸運の女神が微笑み始

めました。