地球から約 150万kmも離れたところ
を目指して打ち上げられた、ジェームズ
・ウエッブ宇宙望遠鏡。
もちろんハッブル宇宙望遠鏡のように、
地球の周回軌道を回っていくわけではあ
りません。それにはあまりに遠すぎる。
みたいに、太陽系の惑星を調べたあと、
そのまま宇宙の果てに向かって飛んでい
ってしまうものとも違います。
どうしてこんなに遠い、地球の影響を受
けることもない場所に宇宙望遠鏡を置く
ことができるんだろうか。初めは意味が
分からなかったんですが、理由が分かっ
てからもますます不思議でたまらなくな
った。それは、「3体の問題」を解いた
人がいたからなんです。
これを解いたのは、18世紀末のフラン
スの数学者 ジョゼフ=ルイ・ラグランジ
ュ。その答えは、宇宙空間にある特殊な
場所のこと。そこでは、太陽、地球と月
の 3つの重力が完全に均衡していて、そ
こに入り込んだ物体は何もしなくてもず
っとそこにいることができる ラグランジ
ュ点があるということ。これを 18世紀
末に計算して出しました。しかもこの場
所は、全部で5つ(L1~L5)もあり、
ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡は、そ
の中の L2に到達して留まっています。
「点」と言ってもすごく広く、1周何十
万kmもある大きな点を周回します。
ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡は、今
後 20年以上にわたって、ハッブル宇宙
望遠鏡とは異なり、赤外線領域での観測
を続けていきます。
必ず、今まで見たこともない写真を、地
球に届けてくれるはず。
北海道の星空
こんなことを想いながら、仕事帰りの車
の中から見た夜空。そのときにたまたま
FMラジオから流れてきたのが、僕の好き
な 楠瀬誠志郎さんの「いつかきっと」。
そのサビの、
「いつかは 君も 星になるし
必ず 僕も 砂になる
それでも きっと 忘れないよ」
妻のあまりの体調の悪さに、また心がつ
ぶれそうになりました。